受託やフリーランスで仕事をしていると、ふと「積み上がっていない」と感じる瞬間があります。
案件が終わると、すべてがリセットされる感覚。
次の仕事では、また最初から自分を証明しなければならない。
もちろんポートフォリオは積み上がっているのですが、
そんな繰り返しの中で、「自分の商品を持てたら」と考えたことはないでしょうか。
この記事では、自分の商品を持つことについて、今まさに試行錯誤している当事者の視点から書いていきます。
成功者の振り返りではありません。売上もまだこれからという段階です。
ただ、この過程で気づいたことが、同じような場所にいる方の参考になればと思っています。
受託・フリーランスから「積み上がる働き方」を考え始めた理由

受託の仕事を何年も続けていると、ある種の違和感が生まれてきます。
どれだけ良い仕事をしても、案件が終わればその成果はクライアントのもの。
次の案件では、また「何ができるか」を一から説明することになります。
この「毎回ゼロから評価される」という構造そのものに、少しずつ疑問を感じるようになりました。
仕事の質は上がっているはずなのに、なぜか積み上がっている実感がない。
これが、自分の商品を持ちたいと思うようになった原点です。
ただ、「自分の商品を持つ」と聞くと、どこか遠い話に感じるかもしれません。
私も最初はそうでした。
すごい人がやること、特別なスキルや才能が必要なこと、そんなイメージがありました。
自分の商品の種は、すでに持っている「型」の中にある

でも、実際に動き始めてわかったことがあります。
商品の種は、すでに手元にあるということです。
仕事の中で「これ、毎回同じような判断をしているな」と思うことはありませんか。
同じような質問に何度も答えていること、同じような手順で進めていること。
それらは、すでに自分の中で「型」になっています。
この「型」こそが、商品の材料になります。特別な新しいことを考え出す必要はありません。
すでに繰り返してきたこと、何度も説明してきたことを、少し整理して外に出すだけです。
私の場合、思考整理やログ記録のために作っていた自分用のアプリが、そのまま商品の候補になりました。
個人開発の進め方——Design Thinkingで迷いながらでも前に進むでも触れていますが、最初から売る前提で作ったわけではなく、自分の違和感を形にしたものです。
「自分が欲しいから作る」から始める

「でも、売れるかわからないものを作るのは不安」という気持ちもあると思います。
私もそうでした。でも、視点を変えると楽になります。
最初から「売れるもの」を作ろうとすると、どうしても市場調査や競合分析から始めたくなります。
それ自体は大事なことですが、その前の段階でつまずいてしまうことも多いのではないでしょうか。
「自分が欲しいから作る」という起点なら、売れなくても損はありません。
自分で使えるものが手元に残るからです。
そして、自分が本当に欲しいと思ったものは、同じ違和感を持つ誰かにとっても価値がある可能性があります。
隠れた完璧主義という構造でも書きましたが、「準備が整ってから」と思っているうちに、いつまでも動けないままになることがあります。
完璧な計画より、「自分が欲しいもの」という小さな起点から始める方が、結果的に前に進めます。
正解を探すのをやめたら人生が動き出したという記事でも触れていますが、正解を探し続けるより、まず手を動かすことの方が大事です。
海外市場を「決意」ではなく「選択肢」として捉える

自分の商品を持つことを考え始めると、「どこで売るか」という話になります。
ここで、日本だけを前提にする必要はないということに気づきました。
海外で売ると聞くと、大きな決断が必要に思えるかもしれません。
でも実際には、Etsy、Gumroad、Behance、Upworkなど、個人が海外向けに商品やサービスを出せるプラットフォームはたくさんあります。
アカウントを作るだけなら、今日でもできます。
「海外展開」と構えると重く感じますが、「届く範囲を最初から狭めない」と考えると自然です。
せっかく作るなら、見てもらえる人が多い方がいい。それだけのことです。
海外で活動したい個人クリエイターの最初の一歩では、具体的なアクションについて書いています。
また、海外で活動するために整理した7つの学習テーマでは、英語やビジネス面で何を準備すればいいかをまとめています。興味があれば、参考にしてみてください。
今日からできる、自分の商品を持つための最初の一歩

最後に、今日からできることを3つ紹介します。
どれも、出す必要も売る必要もありません。「出せる場所がある」ことを知るだけで十分です。
- 1. 自分がこれまでに「何度も説明してきたこと」を3つ書き出してみる
仕事でも、プライベートでも構いません。
繰り返し聞かれること、繰り返し答えていることをメモするだけです。
そこに、商品の種があるかもしれません。 - 2. 受託や仕事の中で「毎回同じように判断していること」を1つメモする
自分では当たり前と思っている判断基準や手順が、他の人にとっては価値のある情報であることがあります。
まずは1つだけ、言語化してみてください。 - 3. Etsy / Behance / Upwork などを開いて、アカウントを作れるかどうか確認するだけ
出品しなくていいです。
プロフィールも完璧にしなくていいです。
「ここに自分も出せる」ということを体感するだけで、選択肢が広がります。
自分の商品を持つことは、すごい人がやる大きな挑戦ではありません。
今までの積み重ねを、少しずつ外に出していく行為です。
そして、外に出す場所を日本に限定する必要もありません。
世界が選択肢になる。
そう聞くと大げさかもしれませんが、実際にはとても自然なことです。
届く範囲を狭めずに、今いる場所から始めてみる。
それだけで、見える景色が少し変わるかもしれません。
この記事が、何か小さなきっかけになれば幸いです。

