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自分の商品を作ったのに売れない、
読まれない、
使われない。
アプリ、有料note、テンプレート、講座、素材。
一度は形にして、ちゃんと世の中に出した。
それなのに、数字がほとんど動かない。
そんなとき、あなたは次に何をしますか?
私は2026年9月現在、1年半ほど色々と手を出してたくさん試してきました。
自分の中では色々とやったつもりではありますが、ほぼ全てのものの数字は動いてません。
最近もこんなことがありました。
個人開発でリリースしているアプリの改善や認知拡大にがっつり取り組みました。
リリースしてから約1年、バグはだいぶ減ってきて、使い勝手の向上にも手をつけられるようになり、
クオリティの手応えも、多少感じることができるところまではきています。
しかし現実は、インストール数は横ばい。
いや、やや減。
認知拡大のための策も無風。
今月は、ことごとく打ちのめされた1ヶ月でした。
これ、今から思うと、もっと良く作る前に、見るべきものがあったんです。
そんなことがあり、たまたま久しぶりに開いたのが、ジェームズ・アレンの『原因と結果の法則』でした。
昔、自己啓発の本として読んだ一冊です。
この記事は、自分の商品を売ってソロプレナーとして成り立たせていこうと活動している今の私が、この本をどう読み直したかの話です。
- 売れなかったとき、商品を作り直す前にさかのぼる4つの問い
- 『原因と結果の法則』を「結果から原因を見直す本」として読む読み方と、今の私が頷けないところ
- 自分を責めずに、外のせいにもせずに、次に変える1つを見つける「紙に2列」のやり方
記事を書いている人

R(アール)
ソロプレナー。精密栄養カウンセラー。
Web制作の現場で長く手を動かしてきました(いまも現役)。
個人開発でいくつものアプリを並行して作りながら、AIと「作る・届ける」を実験しています。
うまくいったことも、月収2,000円みたいな冴えない数字も、隠さず公開中。
教える人ではなく、少し先で転んで戻ってきた人として、あなたと同じ目線で現在地を観測していけたらと思います。
作り直す前に、「何がこの結果を作ったのか」をさかのぼる

『原因と結果の法則』は、イギリスのジェームズ・アレンが1903年に出した薄い本、As a Man Thinketh の日本語版です(1902年とする資料もあります)。
日本ではサンマーク出版から『「原因」と「結果」の法則』の題で読めて、2024年12月には新装版も出ています。
芯にあるのは、「思いが原因になって、人生や境遇という結果をつくる」という考え方。
私は10年以上前に読んで、なんとなく良かった感触だけ持っていて、今回もなんとなく読み返してみました。
そこで、目に留まったのは、その手前にある、当たり前のことでした。
目の前の結果には、そこに至る原因がある。
「売れなかった」も、ひとつの結果です。
結果が出ない原因は、商品そのものにあるとは限りません。
次のものを作る前に、一度だけ、さかのぼってみる。
例えばこんな感じ。
- 誰に出したのか
- どこに出したのか
- 何を伝えたのか
- そもそも、存在を知ってもらえていたのか
4つとも、商品の中身を1行も変えずに見直せます。
商品を良くすることと、商品が届くことは、別の仕事です。
でも、いいものを作っていれば、いつかは売れるんじゃないの?

私もずっとそう思っていました。いいものを作るのは、今も大事です。ただ、いいかどうかを判断してもらうには、まず相手の目の前に届いている必要がある。私はそこを、まるっと飛ばしていました。
これは私だけの話でもなさそうです。
調査会社の CB Insights が、閉じたスタートアップの事後分析111件をまとめた2021年版では、失敗の理由に「市場に必要とされていなかった」を挙げたものが35%。
「商品の出来が悪かった」は8%でした。
スタートアップの失敗を集めた数字なので、note やテンプレートを1人で売る私たちとは単位がまるで違います。
それでも、この差は大きい。
同じ調査の古い版には、こんな一文もありました。
「売り込めないことはよくある失敗で、とくにコードを書くことや作ることは好きでも、宣伝には気が進まない創業者に多かった」(私訳)
……それ、完全に私です。
本の要約なら、ほかにいくらでもあります。
ここに書くのは、作ったのに売れなかった私が、いまこの本をどう読んだかを残しておこうと思います。
私のアプリで、さかのぼってみた

機能を足し、場所を増やし、それでも変わらなかった
Web制作は18年、仕事としてやってきました。
ここ数年で、自分の商品を自分で企画して、完成させて、世の中に出すところまでできるようになりました。
アプリは5本出して、今も1本作っています。
頭のどこかには、ずっとこれがありました。
「いいものを作れば、あとは知ってもらえれば売れる」
いちばん何度もそれをやったのが、Diff Pro Max という Mac と Windows のファイル比較アプリです。
最初は、機能の問題だと思いました。
だから、機能を足しました。
でも、変わらない。
冒頭に書いた、ことごとく打ちのめされた2026年の9月も、その続きでした。
次は、価格かなと思いました。
その次は、出す場所を増やしました。Product Hunt、AlternativeTo….
出した日はちょっとそわそわして。
……で、何も起きませんでした(その日のことはnote に書いた「作ったアプリは、どこに置けば探している人に届く?」にまとめています)。
足して、変えて、出して、それでも動かない。
このループ、一度入ると、なかなか出られないんですよね。
私も、ずっとその中に生息しています。
「Product Hunt ではダメだった」で終わることもできます。
でも考えてみると、Diff Pro Max を本当に必要としている人が、Product Hunt にどれくらいいるのか。
これはプラットフォームのせいではなく、届ける相手と届ける場所の選び方の話です。
自分で変えられる原因でした。
遅いって言われたら、ほんとそうです。
120年以上前の本に、結果と戦いながら原因を育てていた私が書いてあった

昔の私は、この本を「思考が変われば、人生も結果も変わる」という自己啓発として読んでいました。
読むと気持ちは上がる。
でも読み終わったら、また作業に戻るだけ。
今回読み直して、手が止まったのはこの一節です。
(引用は著作権の切れた原著、[Project Gutenberg 版]から。日本語は私の訳です)。
In the light of this truth, what, then, is the meaning of “fighting against circumstances?” It means that a man is continually revolting against an *effect* without, while all the time he is nourishing and preserving its *cause* in his heart.
この真理に照らすと、「境遇と戦う」とはどういうことか。外側の“結果”に逆らい続けながら、そのあいだずっと、その“原因”を心の中で養い、大事に守っている、ということだ。(私訳)
……これ、私のことだ!!
売れないという結果に、機能追加で逆らい続けていた。
そのあいだずっと、心の中で大事に育てていたのが、あの「いいものを作れば、あとは知ってもらえれば売れる」でした。
良いものを出すだけでは売れない。
知ってはいたはずなんです。
でも、まだどこかで、良いものを出せば多少は変わると思い込んでいた。
結果と戦っているつもりで、原因のほうにエサをあげていたんですよね。
この本のいちばん良いところは、ここだと思います。
目の前の結果には、そこに至る原因がある。
言われれば誰でも知っているのに、売れなかった直後には、びっくりするくらい思い出せない。
だから私は、この本を人生論というより、自分の商品を検証するときの本として手元に置いています。
でもそれって結局、売れないのは全部、自分の考え方のせいってこと?

そこは、私がこの本と少し意見が違うところなんです。
それでも「全部、自分の思考のせい」には頷けない

一方で、この本にはかなり強い言い方も出てきます。
In all human affairs there are *efforts,* and there are *results,* and the strength of the effort is the measure of the result. Chance is not.
人の営みには、どれも“努力”があり、“結果”がある。努力の強さが、結果の大きさを決める。偶然というものはない。(私訳)
努力の強さが、結果の大きさ。
……だとしたら、ことごとく打ちのめされた2026年の9月の私の努力は、ほぼゼロだったことになります。
いや、けっこう頑張ったんですよ(泣)
歴史家の Mitch Horowitz は、「思いが人生をつくる」という考え方を好意的に見ている人です。
その彼が、アレン本人が47歳で亡くなったことに触れたうえで、こう書いています。
心を「万能の法則」にまで持ち上げるところが、この思想の足りないところだ。
心は、たくさんある要因のひとつのはずだ、と。
それでも、だから捨てる、とは言いません。自分は捨てない、とも。
なんとなく私の読み方も、これに近い感じです。
もちろん、すべての結果が自分のせいだとは思いません。
市場も、タイミングも、環境もあります。
それでも、自分で変えられる原因まで外側のせいにしてしまえば、次に変えられるものがなくなる。
面白いことに、アレン自身もこう書いています。
A man cannot *directly* choose his circumstances, but he can choose his thoughts, and so indirectly, yet surely, shape his circumstances.
人は境遇を“直接”選ぶことはできない。でも、考えは選べる。そうして間接的に、けれど確実に、境遇を形づくっていく。(私訳)
私はこの一文を、「変えられない原因」と「変えられる原因」を分けていいんだよ!と読んでいます。
私に足りなかったのは、努力の量より、向きのほうだったのかなと今では思います。
では、考えを選ぶとは、何をすることなのか。頭の中の「これは売れないだろう」を、結論のままにせず、現実に聞ける仮説に変える話を、『こうして、思考は現実になる』を読み直した書評に書きました。
総合評価をつけるなら、この本は、作れる人が、届けられる人になるための気づきがふんだんに詰まっている1冊です。
集客の手順は書いてありません。
でも、手順を選ぶ前に、何がこの結果を作ったのかを見る目をくれます。
読むなら、自分の商品の数字を1つ手元に置いてから開いてみてください。
売れた数でも、見てもらえた数でも。
刺さる一節が、きっと変わります。
次のものを作る前に、紙に2列だけ書いてみてください
結果を2列に分けるだけで、自分を責めずに、外のせいにもせずに、次に変える1つが見つかります。
紙を1枚出して、真ん中に線を引きます。
| 自分ではどうにもならなかったもの | 自分でも変えられたもの |
|---|---|
| 市場の大きさ | どんな思い込みで作っていたか |
| タイミング | 誰に出したのか |
| プラットフォーム側の事情 | どこに出したのか |
| 競合 | 何を伝えたのか・知ってもらえていたのか |
最近の「売れなかった」を1つ思い浮かべて、左と右に分けて書いていきます。
いちばん効くのは、右の一番上の「思い込み」の行です。
私なら、ここに「いいものを作れば売れる」が入ります。
アレンの言う、心の中で大事に守っていた原因ですね。
全部埋まらなくて大丈夫です。
右の列から1つ、次に変えるものが決まったら、今日は十分です。
次のものを作るのは、そのあとで遅くないです。
分かってはいるんだけど、気づくと手が作るほうに戻っちゃうんだよね

私もです。作っているときが、いちばん落ち着くんですよね。だから、作る前に右の列を1行だけ。それだけ先に決めておくと、作る側に戻っても、何を直せばいいかで迷わなくなります。
あなたの最近の「売れなかった」、右の列には何が入りそうですか?
結果が出るたびにこの2列を書くようになると、見る場所が3つに増えます。
自分(何を思い込んで作っていたか)。
商品(それが相手の言葉で伝わっていたか)。
お客さん(誰で、どこにいるのか)。作れる人が届けられる人になるために見るものは、商品の中身の外にもあります。
正直、今のアプリも、いいものになってきている感覚はあります。
でも、届くまではまだまだ時間がかかりそうです。
だから私も、この2列を書きながら進んでいるところです。
じゃあ、届けることに、私は1日1440分のうち何分払っていたのか。続きは、『1440分の使い方』を読み直した書評に書きました。
作れるようになるまで、私はずっと「何を作るか」を考えていました。
売れなかったあとに必要だったのは、「何がこの結果を作ったのか」を考えることでした。
自分の商品を作って、出して、届けて、売る。その一周で私が詰まったところは、自分の商品を持つまでの地図にまとめています。
このテーマの続き、作ったものを届く形にしていく実験は、メルマガで書いていきます。
登録直後に、書き込み式のPDFを2つお渡しします(AI時代の構造整理シート/問いの技術 100の問い)。
2列の右側が埋まらないとき、問いの手持ちを増やすのに使ってください。
次のものを作る前に、今の結果から見る。
その続きを、一緒にやっていきましょう。

