「提案書_final.pdf」「提案書_final2.pdf」「提案書_修正_ご確認用.pdf」。
同じフォルダに並んでいて、更新日時はどれも今週。

名前ではどれが最新か判別しづらいので、2つ開いて見比べます。
その時間、だいたい5分。
それで添付して、送信。
送ったら送ったで、後日「前回からどこが変わりましたか」が返ってきて、また開く。。。
こんな経験ありませんか?
ファイルのやりとりが続くと、たいていこの6つが毎回ついてきます。
- どれを送るか、毎回2つ開いて見比べる
- 古い版を消せない。だからコピーが増える
- 「前回からどこが変わりましたか」に、思い出して答える
- 「念のため」で、日付だけ変えた1本を作る
- Word・PDF・Excel が混ざって、置き場所に悩む
- 「何か変わってる」までしか分からず、開き直して目で追う
先に言っておきたいのは、これは整理が下手だから起きているわけではないということです。
消したら戻せない。だから残す。
残すから、増える。
名前を工夫しても、この順番は変わりません。
6つの作業は、全部「安心のため」に発生しています。
逆に言えば、前の状態がどこかに残ってさえいれば、6つはまとめて軽くなるはずです。
この記事では、その6つが実際にどう変わるのかを、私の案件ファイルを使いながら順番に書いていきます。
私自身、古い版を送ってしまったことがあります。
だから「念のため」毎回開いていました。
これから挙げる6つは、以前の私がなんど繰り返していた作業そのものです。
その6つを自分の手元から消したくて作ったのが、Diff Pro Max(Mac / Windows)の「変更履歴」という機能です。作った本人が書くので、うまくいっているところも、まだ弱いところも、そのまま書きます。
フォルダの作り直しも、名前ルールの統一も要りません。
読み終わったあと、今日の1組から試せます。
- 置きっぱなしの
_確認用_バックアップを、消していい状態になる - 「前回からどこが変わりましたか」に、思い出さずに答えられる
- 送る前の見直しが、ファイルを開き直す作業から、一覧を見る作業に変わる
記事を書いている人

R(アール)
Web制作の現場で18年(現役進行中)。精密栄養カウンセラー。
個人開発をアプリ6本並行しながら、AIと「作る・届ける」を実験しています。
うまくいったことも、月収2,000円みたいな冴えない数字も、隠さず公開中。
教える人ではなく、少し先で転んで戻ってきた人として、あなたと同じ目線で現在地を観測していけたらと思います。
1. どれを送るか、毎回2つ開いて見比べる
心当たりがあるか、2つだけ確かめてみてください。
- 名前が違って中身が近いファイルが、いま同じフォルダに3つ以上ありませんか?
- 日付やバージョン番号だけ変えて保存した記憶、ありませんか?
どちらかに引っかかったなら、この先は自分の話として読めると思います。
原稿、PDF、見積書、デザイン資料。社内にも社外にも渡す機会は珍しくないし、命名ルールを決めたことも一度はあるはずです。
決めた直後はきれいに回るんですよね。3ヶ月もすると _修正_ご確認用 が復活している。
でもさ、結局は整理が下手なだけじゃないの?

私も長いことそう思ってました。
ただ、整理が上手い人のフォルダにも _バックアップ は残ってるんですよ。
問題は名前のつけ方ではなく、ファイルが横並びのまま置かれていることだと思っています。
横に並んでいる限り、どれが最新かは開いて確かめるしかない。
送信ボタンの手前で毎回5分。
週1回の案件が3本あれば、月に1時間です。
変更履歴に入れると、ここが縦になります。
同じ資料の版が1つの箱(アプリの中では変更グループと呼んでいます)にまとまって、新しいものが上に積まれる。

手元で何が変わるかというと、ひとつです。
「どれを送るか選ぶ」工程が、なくなる。
見比べて判断していたところが、上から取るだけになる。
判断が要らないので、そもそも間違えようがない。
古い版を送ってしまう事故も、ここで一緒に消えます。
毎回2つ開くのは、横に並んでいるからです。
2. 古い版を消せない。だからコピーが増える
上書き保存をする直前に、手が一度止まる瞬間があります。
「これ、戻せなくなるな」。
それで別名で保存する。
あとで消そうと思って、消さない。
3ヶ月経つと、フォルダに4つの「最新版」が並んでいます。
消せない理由は、そんなに複雑ではないと思います。
前の状態が、そのファイルの中にしか存在しないから。
消した瞬間に、比べる相手がいなくなる。
だから残す。
ということは、コピーを減らしたいなら、名前のルールを直すより先に前の状態をファイルの外に置くほうが早い。
変更履歴がやっているのは、それだけです。
同じ資料の版をひとまとめにした箱(アプリの中では変更グループと呼んでいます)に版が積まれて、元のファイルとは切り離される。
切り離されるって言われても、元ファイルを消したら結局見られなくなるんじゃないの?

そこは作るときにいちばん気を使ったところです。実際にやってみせます。
版を3つ登録して、元のファイルのほうを削除します。
そのうえで残った版どうしを比べると、+3 追加 / −2 削除 / =5 合計。差分の一覧だけでなく、本文もそのまま出ます。

版はアプリの中に実体のコピーとして置いていて、元のファイルへのショートカットを覚えているわけではありません。
参照先が消えても平気なのは、そのためです。(それぞれに SHA-256 のハッシュを付けていて、同じ版かどうかはこの値で見ています)
手元で何が変わるかというと、ひとつだけです。
置きっぱなしの _確認用 を、消していい。
いま消したら二度と戻らない、と思っていたから残していたわけで、その前提が外れると、残す理由がなくなります。
あの、消せずに眺めているときの微妙な気持ち悪さ。
あれが1つ減ります。
とはいえ、いきなり消すのは怖いと思います。
私もそうでした。
版を登録して、1ヶ月置いて、それでも一度も開かなかったら消す。
この順番なら、失うものがありません。
コピーが増えるのは、消したら戻せないからです。
3. 「前回からどこが変わりましたか」に、思い出して答える
送った後にこの質問が来ると、頭の中で作業が始まります。
先週送ったのはどれだったか。
そのあと自分が触ったのは何箇所か。
今日送った版との差はどこか。だいたい思い出せません。
だから、送信済みフォルダを開いて添付を落として、また2つ開く。
しんどいのは、時間よりも答えの精度のほうかもしれません。
「たぶん金額のところだけです」と返して、あとから別の直しが見つかる。
一度それをやると、次から相手は全部見直すようになります。
厄介なのは、間に途中の版が挟まっていることです。
先週の版と今日の版のあいだに、自分用の直しが3つある。
連続した2つを比べても、知りたい答えは出てきません。
連続していない版も選べるようにしてあります。
v2 を飛ばして、v1 と v3 を直接ぶつけると +3 追加 / −3 削除 / =6 合計。
これで、「先週相手に送った版」と「今日送る版」を、あいだの直しを飛ばしてそのままぶつけられます。
差分が出ても、それを文章にして返すのは結局自分じゃない?

そこは自分の仕事です。ただ、思い出す作業と、書く作業は別なんですよね。
手元で何が変わるかというと、ひとつです。
思い出す時間が、まるごと要らなくなる。
答えは画面に出ている。
あとは相手の言葉に直すだけです。
「金額と、納期の2箇所です」と即答できると、確認の往復もひとつ減ります。
やることは、送るときに版を1つ登録しておくだけ。
質問が来てから準備するのではなく、送った時点で答えが用意されている状態になります。
答えに詰まるのは、記憶に頼っているからです。
4. 「念のため」で、日付だけ変えた1本を作る
書き出しだけ直して保存する。
中身はほぼ同じだけど、念のため別名にしておく。
この「念のため」が、いちばん増えます。
やっかいなのは、ファイルが増えること自体より、毎回考えていることのほうかもしれません。
これは残すべきか、消していいのか。
1回3秒でも、1日に何度も来ます。
しかも、その場では正解が出ない。
だから、とりあえず残す。
まったく同じ内容をもう一度登録しようとすると、「このグループの最新版と内容が同じです」と出て、そこで止まります。版数は3のまま。増えません。

同じかどうかを見ているのは名前ではなく、中身に付いたハッシュのほうです。名前だけ変えた1本は、同じものとして扱われます。
ここは、増やせないようにしておくほうがいいと思って、そう作りました。
じゃあ逆に、ちょっとだけ違う版まで全部入れたら、キリがなくならない?

入れていいと思ってます。
増えるのは箱の中の版で、案件フォルダのほうは増えないので。
手元で何が変わるかというと、ひとつです。
残すかどうか、迷わなくてよくなる。
迷ったら入れる。同じなら勝手に弾かれる。
違えば1つ積まれる。
どちらに転んでも困らないので、判断すること自体が要らなくなります。
「念のため」の1本が生まれるのは、その場で正解が分からないからです。
5. Word・PDF・Excel が混ざって、置き場所に悩む
同じ提案でも、渡すものは1種類ではありません。
原稿の .docx、書き出した .pdf、金額を入れた .xlsx。案件フォルダの中で、これがだいたい混ざります。
置き場所に悩むだけならまだいいんですが、たまに事故になります。
Word だけ直して、PDF を書き出し忘れる。
送ったのは古いほうの PDF。
原稿と書き出しが別のファイルとして転がっている限り、これは定期的に起きます。
Word と PDF は、同じまとまりに入れられます。
原稿とその書き出しを、同じ資料として一本にできる。
並べておくと、その PDF がどの原稿から出たものかが分かります。

ただ、Excel は別のまとまりになります。
提案書と見積書を1つに束ねる、という使い方はできません。
ここは作るときに迷ったところで、束ねられるようにすると「同じ資料の版が並んでいる」という状態が崩れるので、今は分けています。
結局、全部ひとつにはまとまらないんだ。

まとまりません。ただ、案件ごとに2本と決まっているほうが、毎回悩むより楽だと思います。
手元で何が変わるかというと、ひとつです。
案件ごとに2本、と決められる。
原稿と PDF で一本、見積書でもう一本。
数が決まっていると、新しいファイルができたときに「どっちに入れるか」で止まりません。
PDF そのものの中身をどう見るかは2つのPDFで文字と見た目のどこが変わったかを見る方法、形式ごとに何をどう見るかの全体像は形式ごとの比較方法をまとめたガイドに書いています。
ここでは、版がひとまとまりになるところまでの話にします。
置き場所に悩むのは、置き方が決まっていないからです。
6. 「何か変わってる」までしか分からず、開き直して目で追う
見積書を送る前の見直しが、いちばん怖いところかもしれません。
数字がひとつ違うだけで、話が変わる。
だから開いて、上から目で追う。
それでも「たぶん大丈夫」以上のことは言えない。
しかも間違いに気づくのは、たいてい相手が見つけたときです。
この見積書を、版として比べるとどうなるか。
一覧に出る表示は +50 bytes。
……これだけです。これでは何が変わったのか分かりません。
ここは今の作りで弱いところで、正直まだ直したいと思っています。

ところが、開くと見え方が変わります。
セル単位で4件として並びます。
たとえば、単価が 300000 から 250000 に。行がひとつ増えて「自動応答(試験)」。合計が 350000 から 450000 に。

なので、一覧の数字だけで判断しないでください。ここで閉じてしまうと、いちばん使えるところに届きません。
4件って出ても、それで全部かどうかは分からなくない?

比べた2つの版のあいだの差は、全部そこに出ています。だから、その範囲なら数え漏れがない。
手元で何が変わるかというと、ひとつです。
「たぶん大丈夫」が、「この4箇所です」に変わる。
見落としの不安がゼロになるとは言いません。ただ、変わった場所を自分で探す作業が、出ているものを確認する作業になります。この2つは、終わったあとの疲れ方がぜんぜん違いました。
版として残す必要はなくて、今日の1回だけ見たい、という日もあります。そちらはExcel をセル単位で比べる手順にまとめてあります。
「何か変わってる」で止まるのは、変わった場所を人間が探しているからです。
いま使っているものを、変えなくていい
ここまで読んで、たぶん反論が3つくらい浮かんでいると思います。
Word の変更履歴で足りるのでは。クラウドに版履歴があるのでは。Git を使えばいいのでは。
どれも正しくて、私も全部使っています。ただ、それぞれ守備範囲があります。
Word の変更履歴は、Word の中の話です。書き出した PDF は追えない。
クラウドの版履歴は、そのクラウドに置いたファイルの話です。相手からメールで届いた ご確認用.pdf は、そこには入っていません。
Git はテキストを扱う道具としてよくできていますが、docx や xlsx を渡す相手に「リポジトリを見てください」とは言えない。
どれも、相手とやりとりしたファイルそのものが抜けています。
置き換える必要はなくて、抜けている1つだけを足せばいい。
また新しいツール入れるの? 覚えるのしんどいんだけど。

運用は変えなくていいです。ファイルを2つドロップするところから始まるので。
いま使っている名前のルールも、クラウドも、Word も、そのまま置いておけます。フォルダの構造を作り直す必要もない。移行、という言葉が出てこないのが、このやり方のいちばん楽なところでした。
お金の話も先に書いておきます。有料と無料で、できることは同じです。違うのは扱える数だけ。機能に鍵がかかっていて、払うと開く、という作りにはしていません。買い足す周辺ツールもなし。
【要追記⑩|優先度必須】
書くこと:無料だと何が何個まで使えるのか(変更グループ数/版数など)を具体的に。キャプチャは不要。
狙い:「違うのは数だけ」だけでは、読者が無料で何ができるか判断できない。
なので、試すときに失うものがありません。無料のまま、手元の資料でひとまとまり作ってみて、合わなければ捨てればいい。捨てても、元のファイルは減りません。
アプリ自体が何をするものかは、Diff Pro Max が何をするアプリかにまとめてあります。この記事で書いたのは、その中の変更履歴だけの話です。
今日、比べる2版を1組だけ決める
6つ挙げましたが、全部を今日やろうとすると、まず終わりません。フォルダは何年ぶんもあるので。
決めるのは1組だけでいいと思います。いま抱えている案件で、どの版とどの版を並べたいか。 たぶん「先週送ったやつ」と「今日送るやつ」になるはずです。
やることは3つです。

- 今日か明日、送る予定の資料を1つ決める
- その資料の、前に送った版と今日の版を2つドロップする
- 出てきた差分を、そのまま「前回からの変更点」として使う
ここまでで、たぶん5分かかりません。
そこから先は、自分の資料について何が言えて、何が言えないかが見えてきます。
この2つのあいだなら説明できる。
ここから先は覚えていない。
その線がどこにあるか分かると、次に何を残しておけばいいかも決まります。
名前を工夫しても、その線は動きません。動かすのは、前の状態が残っているかどうかだけです。
私の手元では、消していいものが1つ増えました。
金曜の夕方に4つのファイルを開き直す5分も、いまのところ戻ってきていません。
Diff Pro Max は Mac と Windows の両方で使えます。
無料のまま、同じ資料の版をひとまとめにして、離れた2つを並べるところまで試せます。
→ Mac 版を無料ダウンロード(Mac App Store)
→ Windows 版を無料ダウンロード(Microsoft Store)
アプリの詳細は Diff Pro Max の紹介ページにあります。
