なぜ決められないのか
「どっちがいいんだろう」
選択肢を前にして、手が止まる。
調べれば調べるほど、情報が増える。
比較すればするほど、どれも良く見えてくる。
結局、決められないまま時間だけが過ぎていく。
私もずっとそうでした。
転職するかどうか。新しいスキルを学ぶかどうか。このプロジェクトを引き受けるかどうか。
大きな決断ほど慎重になり、慎重になるほど決められなくなる。
あるとき気づきました。
「正解を探そうとしていること」自体が、判断を鈍らせていたと。
正解は、どこかに存在していて、それを見つけ出せば間違えない。
そう思っていたから、もっと情報を、もっと比較を、と求め続けていた。
でも、多くの場合、正解なんて最初から存在しない。
あるのは「自分にとって、今、どちらがよいか」という判断だけ。
この記事では、私が「決められない自分」から抜け出すために学んだ思考法をまとめています。
第1章:目標を明確にする
判断に迷うとき、最初に確認すべきことがあります。
「そもそも、自分は何を目指しているのか」
これが曖昧だと、判断の基準がない。
基準がないから、選択肢を比較しても答えが出ない。
たとえば「転職するかどうか」で迷っているとき。
「もっと年収を上げたいのか」
「ワークライフバランスを改善したいのか」
「新しいスキルを身につけたいのか」
目指すものによって、判断は変わります。
目標が曖昧なまま選択肢を比較しても、堂々巡りになるだけでした。
SMARTの法則で目標を具体化する
目標を明確にするフレームワークとして「SMART」があります。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能に)
- Achievable(達成可能に)
- Relevant(関連性がある)
- Time-bound(期限がある)
「もっと成長したい」という漠然とした目標を、
「3ヶ月以内に〇〇の資格を取る」と具体化する。
目標が具体的になれば、判断基準も明確になります。
→ SMARTの法則を詳しく解説した記事:
目標を細分化する
大きな目標は、そのままでは判断材料になりにくい。
「1年後に独立する」という目標があっても、
「今日、この案件を受けるかどうか」の判断には直結しない。
目標を小さなステップに分解することで、
「今、何を優先すべきか」が見えてきます。
→ 目標の細分化について詳しく解説した記事
第2章:問題を分解する
判断に迷うもうひとつの原因。
問題が複雑すぎて、何を判断すればいいかわからない。
「この事業を続けるべきか」
「このデザインで進めていいか」
「このチーム体制で大丈夫か」
こういう大きな問いをそのまま考えようとすると、頭がパンクします。
フレームワークで分解する
複雑な問題は、小さな要素に分解する。
分解すれば、ひとつひとつは判断しやすくなる。
たとえば「この事業を続けるべきか」を分解すると:
- 市場のニーズはあるか
- 自社の強みを活かせるか
- 収益性は見込めるか
- リソースは確保できるか
分解された問いなら、それぞれ判断できる。
その積み重ねが、最終的な判断につながります。
フレームワーク思考は、複雑な問題を「判断可能なサイズ」に切り分ける技術です。
→ フレームワーク思考を詳しく解説した記事
第3章:本質を見抜く
情報は増えた。選択肢も分解した。
それでも迷うことがあります。
「どの情報が本当に重要なのか」がわからないとき。
情報が多すぎると、すべてが重要に見えてしまう。
あるいは、声の大きい意見に引っ張られてしまう。
ここで必要なのが「クリティカルシンキング」です。
クリティカルシンキングとは
批判的思考と訳されますが、「批判する」という意味ではありません。
「本当にそうか?」と問い直す思考法です。
- この情報の根拠は何か
- 別の視点から見るとどうか
- 感情や先入観に影響されていないか
表面的な情報に飛びつかず、一歩引いて考える。
それが「本質を見抜く」ということです。
判断に迷ったとき、「そもそも、これは本当に重要な問題なのか?」と問い直すだけで、視界が開けることがあります。
→ クリティカルシンキングを詳しく解説した記事
第4章:論理と感性のバランス
ここまで、論理的に考える方法を紹介してきました。
でも、判断はロジックだけでは決まらない。
「論理的には正しいけど、なんか違う」
この直感を無視すると、後悔することがあります。
論理と直感、どちらも使う
ロジカルシンキングは、判断の土台を作る。
根拠を整理し、筋道を立てて考える。
でも、最終的に「決める」のは自分自身。
そこには、論理では説明しきれない感覚が入ってくる。
大切なのは、どちらかに偏らないこと。
- 直感だけで決めると、後で「なんでこうしたんだろう」と迷う
- 論理だけで決めると、「正しいはずなのにしっくりこない」と苦しむ
両方を使い分けることで、判断の質が上がります。
→ 論理的思考の活かし方を詳しく解説した記事
第5章:新しい視点を得る
ここまでやっても、判断に行き詰まることがあります。
同じ視点で考え続けても、同じ結論しか出ない。
そんなときは、視点を変える必要があります。
デザイン思考で再構築する
デザイン思考の基本は「観察・発散・収束」。
- 観察:問題をいきなり解決しようとせず、まず観察する
- 発散:可能性を広げる。批判せずにアイデアを出す
- 収束:選択肢を絞り込む
特に「発散」のフェーズが重要です。
判断に迷っているとき、選択肢は「AかBか」に固定されがち。
でも、本当はCやDの選択肢があるかもしれない。
一度、判断を保留して「他にどんな可能性があるか」を考えてみる。
それだけで、突破口が見つかることがあります。
→ デザイン思考を詳しく解説した記事
エピローグ:判断力は鍛えられる
ここまで読んでいただいて、気づいたことがあるかもしれません。
判断力は、生まれ持った才能ではない。
考え方のフレームワークを知り、練習することで、誰でも鍛えられる。
- 目標を明確にする
- 問題を分解する
- 本質を見抜く
- 論理と感性のバランスを取る
- 視点を変える
これらは、すべて「型」です。
型を知っていれば、迷ったときに立ち戻る場所ができる。
「正解を探す」のではなく、「自分で決める力を育てる」。
それが、判断力を鍛えるということだと思っています。
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