「これ、自分に必要なアプリかな?」
その答えは、機能の一覧の中にはありません。
あなたが、こういう日を知っているかどうかで決まります。
予定ではできるはずだったのに、なぜかできない日。
その差を、「意志の弱さ」以外の言葉で説明したくなった日。
この記事は、そういう人のために書いています。
私は「LifeOSじぶん観測」というアプリを作っています。
身体の記録と、その日の仕事の記録を、同じ時間軸に並べて眺めるためのアプリです。
ただ、これ、みんなに必要なアプリではないと思ってます。
次の3つに当てはまるなら、探しているものとは違うかもしれません。
- 今日の睡眠・歩数・心拍を確認できれば十分
- データから「今日はこうしなさい」という答えがほしい
- 自分の状態が分かっても、仕事や予定を動かす余地がない
逆に、「自分はどんな状態のとき、どんな仕事が進みやすいのか」を知って、予定の置き方を変えたい人であれば役立てることができると思っています。
目次
今日の状態を確認できれば十分なら、Apple ヘルスケアで足ります

昨日は何時間眠ったか?
今日は何歩あるいたか?
心拍はどう動いたか?
そこまで分かればこと足りる日がほとんどでしょう。
でも、もう少し踏み込んだとしたら、
知りたいのは、今日1日どうだったかですか?
それとも、日をまたいだ自分の傾向ですか?
LifeOSじぶん観測は、その日のスコアを出すため道具としては設計していなくて、
日をまたいで記録を並べて、データをみて自分で振り返る。
そこで傾向が掴めて、自分自身が今後に活かせる。
そういう意図で作っています。
だから、今日を確認したいだけの目的とは、少しズレてしまうんですよね。
傾向は、1日の中には出てきません。
似たような日が何度か並んで、そこでやっと形になるものです。
「今日はこうしなさい」という答えも出さない

「睡眠が5時間なので、今日は集中力が低いです」
「このタスクは午後に回しましょう」
「今日は重い作業をやめておきましょう」
そう言ってくれるアプリのほうが、たぶん分かりやすいです。
LifeOSじぶん観測は、正解を出すアプリにはしておらず、あくまでも使うユーザーが観測できることを主旨としています。
判断の材料は並べますが、判断そのものは返えさない。
答えがほしくて入れると、たぶん物足りないと思います。
目先に欲しいのは、答え。
未来のことを考えると、データをみて判断できる自分。
実は開発中、私も何度かそちらへ寄せかけました。
判定をひとつ出すだけで、初日の画面が急に意味を持ちはじめます。
分かりやすさの誘惑は、機能表を眺めているときより、作っている手元のほうがずっと強いです。
それでも、その方向は作らないことにしました。
たとえば、同じ6時間の睡眠でも平気な人も、かなり影響を受ける人もいます。
一般的な基準を当てはめて「あなたはこうです」と言い切るより、自分の場合は実際どうだったのかが並ぶほうを優先しました(一般的な診断結果を「あなたはこうです」で受け取らずに使う方法でも、同じ立場で書いています)。
代償は、自分で先に並べておきますね。
触った瞬間の分かりやすさは弱いままです。
すぐ答えがもらえる感じもありません。
改善予定ですが、スタンスは変えない方針です。
自分の傾向がわかったら、予定の立て方を少し変えてみる

LifeOSじぶん観測で、自分の傾向が見えてきたとします。
「よく眠れた日の午前中は、考える仕事が進みやすい」
「睡眠が短かった日は、午後になると集中が切れやすい」
そんなことが分かってきたら、次にやるのは予定を少し変えてみることです。
たとえば、
- よく眠れた日の午前中に、考える仕事を置いてみる。
- あまり眠れなかった日は、午後に重い仕事を詰め込まない。
- 集中しにくい日は、考える仕事より手を動かす作業を先にやってみる。
次の予定を立てるときに、「自分はこういう日に、こういう仕事が進みやすかったな」と少し参考にする。
それくらいです。
でも、そこまでくると、初めて記録が役に立ってきますよね。
LifeOSでやりたいのは、自分の状態を知って終わることではありません。
分かったことを使って、次の予定の立て方を少し変えてみることです。
分かったことを使って、次の予定を少し立てやすくすることです。
以前、診断ツールについて書いたときにも、似たことがありました(診断を受けても何も変わらない人に共通していた構造)。
自分のことが分かっても、それを次の行動に使わなければ、分かっただけで終わってしまいます。
LifeOSじぶん観測も同じです。
正直に言うと、「予定をある程度自分で動かせる人ほど、このアプリを活かしやすい」というのは、まだ私の仮説です。実際の利用データで確かめられたわけではありません。
それでも、入れる前に知っておいてほしい条件のひとつだと思っています。
では、この3つに当てはまらない人は、何を知りたくてこのアプリを使うのか。
誰のためのアプリ??

昨日は2時間集中できた。
今日は30分で止まった。
予定ではできるはずだった。
でも、その差がどこから来たのかは分からない。
分からないままなので、次の予定もまた同じように立てます。
予定を立てているのは、いつも「未来の元気な自分」です。
そして予定が崩れると、「今日は集中できなかった」「自分は意志が弱い」で終わってしまう。
LifeOSじぶん観測で見たいのは、そこです。
一般的に何時間眠ればいいのかではありません。
自分は、どんな状態のときに、どんな仕事が進みやすいのか。
その傾向を、自分の記録から見つけていく。
だから、健康管理アプリが欲しい人というより、自分の働き方を、自分のデータを見ながら少しずつ調整してみたい人のためのアプリです。
ここまで読んで「それを知りたい」と思った人にも、先に伝えておきたいことがあります。
LifeOSは、入れた初日から答えが返ってくるアプリではありません。
自分の傾向は、1日では見えてこない

LifeOSじぶん観測は、入れたその日に答えが返ってくるアプリではありません。
初日は、記録がひとつ増えるだけです。
次の日も、まだ点がふたつ並ぶだけかもしれません。
「よく眠れた日は、午前中の仕事が進みやすい」
「睡眠が短かった日は、午後になると集中が切れやすい」
そんな傾向が見えてくるには、ある程度の記録が必要です。
1日だけを見ても、その日たまたまそうだったのか、自分にそういう傾向があるのかは分かりません。
何日か並べてみて、似たことが何度か起きて、そこで初めて「もしかすると、自分はこうなのかもしれない」が見えてきます。
LifeOSでやりたいのは、その「自分の場合」を見つけていくことです。
なので、すぐに診断結果が欲しい人には向いていません。
すぐ結果が出ないものをどう続けるかは、別の場所で書きました(「完成」を目指すのをやめたら続くようになった話)。
並べたからといって、原因が分かるわけでもありません。
「睡眠が短かった日に仕事が進まなかった」という並びが見えても、睡眠のせいだと言い切れるわけではありません。
見えた並びをラベルにせず、仮説のまま扱う手順は前に書いています(診断結果をラベルのまま使わず仮説として扱う4ステップ)。
少しずつ記録を並べながら、自分の傾向が見えてくるまで観察してみる。そういう使い方をするアプリです。
ただ、ここまで読んで「それなら一度やってみたい」と思っても、まだLifeOSを入れる必要はありません。
まずは、アプリを使わずに試せます。
まずは2列だけ、1〜2週間。それで足りなければ、LifeOSを使ってみてください

睡眠時間。
その日の仕事の進み具合。
まず並べるのは、この2列だけで十分です。
メモアプリの新しい1枚でも、表計算でもかまいません。
日付を左に置いて、1〜2週間ぶん下に足していく。それだけです。書くのは寝る前でも翌朝でもかまいません。思い出せる範囲で足ります。
何日か並べてみると、
「よく眠れた日は、やっぱり仕事も進んでいるかもしれない」
「思っていたほど、睡眠時間とは関係なさそうだ」
そんな自分なりの見え方が少しずつ出てきます。
まずは、それを見てみてください。
2列だけで知りたいことが分かるなら、それで十分です。
でも、続けているうちに、
「もう少し別の記録も一緒に見たい」
「毎回、自分で記録を並べるのは面倒だ」
「もっと長く残して、自分の傾向を見ていきたい」
と思うかもしれません。
そうなったときに、LifeOSじぶん観測を使ってみてください。
逆に、この2列を並べること自体が続かなかったとしても、新しい記録の習慣を無理に増やす必要はありません。
Apple Watchはすでに記録を取っていますし、タスクアプリにも終わった仕事が残っています。
LifeOSじぶん観測も、できるだけ新しい記録習慣を増やすのではなく、すでに手元にある記録を使って自分を見られるものにしたいと考えています(なぜタスクとバイタルを一緒に見ようと思ったのか)。
大事なのは、LifeOSを入れることではありません。
まず、自分の記録を並べてみることです。
「一般的には何時間眠ればいいのか」ではなく、自分の場合はどうなのかを見てみる。
2列を並べるだけでも、それはもう観測です。
そして、2列だけでは足りなくなったら、その続きをLifeOSじぶん観測で試してみてください。
ここまで読んで「自分の場合を見てみたい」と思ったなら、まずは今日から2列だけ並べてみてください。
それで足りなくなったときに、LifeOSじぶん観測が役にたつでしょう。
その先に目指していること

目指しているのは、毎日同じように動ける自分になることではなく、自分の波を知って、予定のほうを自分に合わせられるようになることです。
調子のいい日もあれば、うまく進まない日もある。
その波をなくすのではなく、「自分はこういう状態のとき、こういう仕事が進みやすい」と少しずつ分かっていく。
そうすれば、次の予定を立てるときにも、
「この仕事は午前に置いてみよう」
「今日は重い仕事を減らしてみよう」
と、自分の傾向を参考にできるようになります。
予定が崩れた日に、「またできなかった」で終わるのではなく、
「この状態なら、次はこうしてみよう」
と考えられるようになる。
LifeOSじぶん観測で作りたいのは、そんな状態です。
自分を予定に合わせ続けるのではなく、自分のことを少しずつ知りながら、予定のほうも自分に合わせていく。
そのための材料が、自分の記録の中に少しずつ溜まっていけばいいと思っています。
