徹底的にパクる(TTP)とは?17年でわかった「丸パクリ」と「伸びるパクリ」の違い

eye 10

この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。

この記事でわかること
  • TTPって、ただの「丸パクリ」じゃないの?
  • 真似ても身につく人と、身につかない人の違いは?
  • AI時代、TTPで大事になった力は?

「いいな」と思ったデザインを参考にしたのに、自分の案件に持ってくると、なんか違う。きれいに真似たはずなのに、しっくりこない。そんな経験、ありませんか?

私も、何度もありました。TTP(徹底的にパクる)も、最初は「とにかく上手い人を真似ること」だと思っていました。

でも、Web制作を17年やってきて分かったのは、TTPの本体は「丸パクリ」ではない、ということです。

良いものの“構造”を盗んで、自分の文脈に移植すること。表面だけ真似ると、似ているけれど薄いコピーになる。構造を観測してから真似ると、それは自分の引き出しになる。

この記事では、その「丸パクリ」と「伸びるパクリ」の違いを、教科書的な手順は並べず、17年の現場で実際に効いたやり方として書きます。

記事を書いている人

profile

R(アール)

Web制作の現場で17年(現役進行中)。精密栄養カウンセラー。

個人開発をアプリ6本並行しながら、AIと「作る・届ける」を実験しています。

うまくいったことも、月収2,000円みたいな冴えない数字も、隠さず公開中。

教える人ではなく、少し先で転んで戻ってきた人として、あなたと同じ目線で現在地を観測していけたらと思います。


AIと「作る・届ける」の実験は、週1でメルマガにも書いています。→ のぞいてみる(限定特典つき無料)

徹底的にパクる(TTP)とは?「真似る」より「構造を盗む」こと

02 11

「徹底的にパクる(TTP)とは何か」を一言でいうと、優れたものを徹底的に真似て学ぶ、という学習法です。もともとはビジネスの現場で使われてきた言葉で、さらに進化版の「TTPS(徹底的にパクって進化させる)」もあります。

ただ、ここでひとつ、大事な分かれ道があります。

同じ「真似る」でも、表面を写すだけの丸パクリと、構造を盗む伸びるパクリでは、結果がまったく違いました。表面を写すのが、丸パクリ。構造を観測して、自分の文脈に戻すのが、伸びるTTP。

分かれ目は、意外とシンプルです。真似たあとに、それを自分の言葉で説明できるか。ここで、その後の伸びが大きく変わります。

丸パクリと、伸びるパクリの違い

03 9

17年見てきて、この2つは、やっていることは似ているのに、結果がまるで違いました。

丸パクリは、こうなりがちです。

  • 見た目だけ似せる/参考元の文脈を見ない
  • なぜその余白なのか、なぜその言葉なのかを考えない
  • 自分の目的に合うか確認しないまま、そのまま出す

結果、似ているけど弱い。きれいだけど意味がない。参考元がないと作れない。そして、自分の引き出しにならない。

一方、伸びるパクリは、こうです。

  • まず「どこが良いのか」を観測する
  • 余白・文字・導線・配色・写真・言葉に分解する
  • 自分の制作目的に合う要素だけ抜き出し、そのまま使わず自分の文脈に置き換える
  • 最後に「何を学んだか」を言葉にする

同じ参考元を見ても、ここまでやるかどうかで、半年後の引き出しの数がまるで変わります。

TTPで失敗した話|見た目だけ、量だけ見て分解しなかった

ここは、私の失敗から書きます。TTPは、やり方を間違えると、見事に空回りします。

ひとつめの失敗は、見た目だけ真似て、意味が弱くなったことです。かっこいいサイトを参考に、余白やフォントサイズをそのまま真似た。でも、自分の案件に戻すと、なんか合わない。

理由は、参考元には参考元の目的・ブランド・写真・情報量があるからでした。高級ブランドの広い余白を、情報量の多いBtoBサイトにそのまま持ち込むと、ただ読みにくくなる。スタートアップ風のポップなUIを、堅い業種のサイトに持ち込むと、信頼感が落ちる。参考元の「見た目」だけ持ってくると、自分の文脈ではズレるんです。

とりさん
とりさん

えっ、じゃあ良いサイトを参考にすること自体がダメなんですか…?

R
R

いえ、参考にするのは大事です。ダメなのは“見た目だけ”持ってくること。なぜその余白なのか、まで一緒に持ってくれば大丈夫です

ふたつめの失敗は、量だけ見て、分解しなかったことです。Pinterest、Dribbble、X、YouTube。参考を見る量は増えたのに、いざ作ると、何も出てこない。たくさん見たはずなのに、です。

理由はシンプルでした。見たものを、言葉にして保存していなかったから。眺めるだけのインプットは、ほとんど残りません。

TTPがハマった話|UIとコードを“単位”で盗む

04 7

逆に、TTPがちゃんとスキルになった話も書きます。コツは、「丸ごと」ではなく「単位」で盗むことでした。

Web制作では、良いUIを見たとき、こう観測します。

  • このカードはなぜ見やすいのか/このLPはなぜスクロールしたくなるのか
  • この余白はなぜ気持ちいいのか/このCTAはなぜ押しやすいのか

そして、デザインをそのままパクるのではなく、「余白の取り方」「情報の優先順位」「視線誘導」「ボタン前の不安解消」「写真の温度感」みたいな単位で盗む。この単位で持っておくと、別の案件で似た課題が出たときに、そのまま使えます。

とりさん
とりさん

「単位」で盗む…って、具体的にどういうことですか?

R
R

「このサイトを真似る」じゃなく、「この“余白の取り方”を真似る」にするんです。部品で持つと、別の案件にも移植できます

これは、コードでも同じでした。jQuery時代、メニュー開閉やモーダルの実装を、真似しながら覚えた人は多いはずです。でも、ただコピペで終わると、次の案件で詰まる。伸びる人は、「どこでイベントを拾っているか」「開閉の状態をどう表しているか」「CSSとJSの役割はどう分かれているか」を見ていました。

この“状態の扱い方”を盗む癖は、今のVue/Nuxtのコンポーネントにもそのままつながっています。TTPは、見た目だけでなく、構造や状態の扱い方を盗むものでした。

AI時代のTTP|「真似る力」より「選ぶ力」と「分解する力」

05 8

ここ数年で、TTPは、一見すごく簡単になりました。AIです。

AIに「このサイトっぽいデザインにして」「この文章のトーンで書いて」「このUIを参考にVueコンポーネントを作って」と頼めば、それっぽいものは出ます。

でも、ここに落とし穴があります。AIは、表面のパターンを真似るのが、とても得意です。だから、自分が「なぜ良い」と思ったのかを観測していないと、出てくるのは、ただの未整理なコピーになる。量は増えても、自分には積み上がりません。

とりさん
とりさん

AIが似せてくれるなら、もう自分で分解しなくてよくないですか?

R
R

逆なんです。AIが表面を真似てくれるぶん、“どこを・なぜ真似たいか”を選んで分解する仕事が、人間に残ります

AIを使うほど、人間が見るべきところは、むしろ増えます。どこを真似したいのか。なぜ真似したいのか。自分の文脈では、どこを変えるべきか。参考元と自分の目的は、何が違うのか。つまり、AI時代のTTPは、「真似る力」より「選ぶ力」と「分解する力」のほうが重要になった、ということです。

まとめ|TTPは、構造を観測して自分の文脈に移植する技術

06 9

長くなったので、最後に1本にまとめます。

徹底的にパクる(TTP)は、表面を真似ることではありませんでした。良いものの構造を観測して、自分の文脈に移植する技術です。表面を写すと、薄いコピーになる。構造を盗むと、自分の引き出しになる。分かれ目は、真似たあとに、自分の言葉で説明できるか。

もし今、「参考はたくさん見てるのに、自分の制作に残らない」と感じているなら、次に良いものを見たとき、1つだけでいいので「どこが、なぜ良いのか」を言葉にして残してみてください。それが、丸パクリを、伸びるパクリに変える最初の一歩です。今の自分が何に「良い」と反応したのか、を観測することから始まります。

なお、良いものを観測・分解する力を、クリエイティブ学習の全体像の中で整理した話はAI時代に必要な能力|作りながら観測して学ぶのほうでまとめています。あわせてどうぞ。

あわせて読みたい


「自分の強みは何か」が、見えなくなる時期があります。

診断を受けても、本を読んでも、「結局どう動けばいいか」が分からない。考えるほど止まる。これは個人クリエイターによくある状態です。

個人開発8本、月収2,000円。Web制作17年のクリエイターが、AI と「作る」「届ける」を honest に実験している過程をメルマガで公開しています。「観測する」生き方の実践ログです。

登録特典:「AI時代に取り残されないための構造整理シート」(PDF 12p / 5ステップ)― スキル棚卸しから、自分のポジション設計まで。

メルマガに登録する(無料・PDF特典付き)