全部自動化しようとして、一番疲れていたのは自分だったーーそんな経験はないでしょうか。
情報収集から整形、判断、投稿まで。
すべてを自動でつなげれば、自分は何もしなくていいはず。
そう思って組み上げたワークフローが、気づけば自分を監視状態に追い込んでいました。
「自動化を守るために、ずっと監視している状態」。これでは本末転倒です。
ある日、ふと思いました。「これ、誰のための自動化なんだろう?」
なぜ完全自動化で疲れるのか

完全自動化を目指すと、予期しない問題が起きます。
出力が微妙にズレている。
データの形式が変わった。APIの仕様が更新された。
そのたびに確認し、修正し、また動かす。
この繰り返しが蓄積していきます。
最近では「累積監視型AI疲れ(CSAF)」という言葉も生まれています。
AIや自動化の出力を常に監視・修正する作業が積み重なることで生じる疲労のことです。
自動化したはずなのに、むしろ負担が増えているーーそんな矛盾した状況は、珍しいことではありません。
完全自動化は「一度作れば終わり」ではなく、「常にメンテナンスが必要なシステム」になりがちです。
しかも、そのメンテナンス作業は目に見えにくい。
だから「なぜこんなに疲れているのか」が自分でも分かりにくいのです。
「気持ち悪いな」という感覚が教えてくれること

自動化を進める中で、「ここは自動にしたくないな」と感じる瞬間がありました。
たとえば、SNSへの投稿内容を完全自動で生成・公開すること。
技術的にはできる。
でも、なんとなく気持ち悪い。
この「気持ち悪いな」という感覚は、実は重要なシグナルでした。
それは「ここには人間の判断が価値になる領域がある」という合図だったのです。
すべてを自動化することが目的になると、この感覚を無視してしまいます。
でも、自動化の本来の目的は「自分を楽にすること」であって、「自動化すること」そのものではありません。
バイブコーディングで挫折した体験談でも書きましたが、技術に振り回されると本質を見失いがちです。
半自動化という選択肢

そこで試してみたのが、「半自動化」というアプローチです。
業界では「Human in the Loop(HITL)」と呼ばれる考え方で、自動処理の中に人間の判断ポイントを意図的に残す設計手法です。
n8nをはじめとする主要な自動化ツールも、この考え方を公式にサポートしています。
具体的には、「判断が入る直前で止める」という設計にします。
自動で「完了」ではなく、自動で「並べてくれる」。
そこから先は、自分が見て、選んで、決める。
たとえば情報収集であれば、収集と整形までは自動化し、「これを投稿するかどうか」は自分で判断する。
この一手間があるだけで、出力への責任感が生まれ、監視のストレスが減りました。
続かないのは意志の弱さではなかったという記事でも触れましたが、仕組みの設計次第で負担感は大きく変わります。
自動化は育てるもの

自動化は「買う」から「組み立てる」時代へという記事で書いたように、今は自分で自動化を組み立てられる時代です。
だからこそ、「どこまで自動化するか」も自分で決められます。
自動化は、人を置き換えるものではなく、人を助ける位置に置くもの。
そう考えると、最初から完璧を目指す必要はありません。
まずは半分だけ自動化してみる。
使いながら調整する。
必要なら範囲を広げる。
自動化も、育てるものなのです。
もし今、自動化に疲れているなら、一度立ち止まってみてください。
本当に全部を自動にする必要があるのか。
「気持ち悪いな」と感じている部分はないか。
そこに、自分にとっての最適解のヒントがあるかもしれません。
どのツールを選ぶか迷っている方は、AI自動化ツール4強比較ガイドも参考になれば幸いです。
