【書評 vol.1】コミュニケーションが苦手と悩む人に。人を操る禁断の文章術を読んで、相手のことに意識をむけてみよう。

仕事でいつも何を言いたいのかわからないと言われる。伝え方がうまくなりたい。ブログを書いているのだけれど、もっと文章を上手く書けるようになりたい。そもそも、相手に伝わる文章を書きたい・・・

デジタルツールやサービスを使う機会が圧倒的に増えて、SNSやブログ、youtubeなんかで情報発信して人に何かを伝える機会が圧倒的に増えましたね。

情報発信をしない人も、仕事でメールやチャット、顧客向けのDMなどテキストを使う機会はたくさんあり、以前よりコミュニケーション自体は減った。という人はかなり少ないのではないでしょうか?

実際に、僕も社会人の最初の頃は、何を行っているのかわからない。言いたいことを順序立てて説明しろ。結論から言え。など自分が伝えたいことが伝わらずヤキモキした経験があります。

今となっては、その時よりは多少はマシなったようで、上記のようなお叱りを受けることは大分減りましたが、マシな状態にもっていくまでは、いろいろな本を読んでなんとか伝えられるように色々な本で伝え方や文章術を学びました。

当時からたくさんの人が同じ悩みを抱えているようで、書店に言ってもアマゾンで探してもコミュニケーション術や文章術に関する書籍が山のようにありました。しかし、手にとった本はスーッと頭に入ってくるような内容のものは少なく、また簡易なものは自分にはあまり役に立たない内容の物が多かった気がしています。

今回紹介する「人を操る禁断の文章術」は、そんな当時の自分に真っ先に進めたい一冊であり、現在同じように相手に文章をどのように伝えていったらいいか悩んでいる人にはぴったりの一冊ではないでしょうか?

それでは、内容の方を少し見ていきましょう。

人を操る文章の3つの原則

まず最初に文章はなぜ書くのでしょうか?
本書ではその目的を「人を行動させること」と定義しています。
そして、その「人を行動させるための文章」の3つの原則が登場します。

  1. あれこれ書かない
  2. きれいに書かない
  3. 自分で書かない

あれ、3つとも「書かない」と書かれています。(笑)
これはどういうことか簡単に言ってしまうと、

「自分が何を伝えたいか?」ではなく、「相手にどんな行動をしてほしいか?」

さらに、

「キレイにまとまった論理的な文章」ではなく、「相手の感情や想像力を刺激する文章」

そして、

「自分の文章」ではなく、「相手の心の中の文章」を書くことが人を操る文章の3原則です。

つまり、自分の中にあるものでなく、徹底的に読み手のことを考えて書きましょう。ということです。

人を動かす7つの引き金

文章から人の心の動く流れとして以下のようなことが紹介されています。

<心の動き>
魅力的なキーワードを散りばめる

読み手がキーワードに気づく

読もうと思う

この読み手の心の動きを想定した仕掛けとして、7つのトリガーというのが以下のもの。

  1. 興味
  2. ホンネトタテマエ
  3. 悩み
  4. 損得
  5. みんな一緒
  6. 認められたい
  7. あなただけの

人の悩みの種類

H:health
→健康のこと、ダイエット、外見の変化、病気、加齢

A:Ambition
→将来の夢、叶えたい希望、理想の仕事、出世したい願望

R:Relation
→人間関係、会社での人間関係、友人、知人、恋人、結婚、離婚

M:Money
→お金、収入の増減、借金、年金、住宅の購入など

上記の悩みに世代」を掛け合わせるとかなりの的中度になるとのこと
※年齢がわかれば、ほぼ確実に悩みは当てられるそうです。

相手の心を揺さぶる5つのテクニック

  1. 書き出しはポジティブに
  2. なんどでも繰り返す
  3. 話しかけるように書く
  4. 上げて、下げてまた上げる
  5. 追伸をつける

まとめ

コミュニケーションが苦手というと、自分の伝えたいことが伝わないことと悩んでいる人が最も多いのではないでしょうか?
しかし、本書では自分のことはほとんど触れられておらず、とことん相手のことを観察したり、イメージしたりすることばかりに着目しています。

自分が本書をおすすめしたい最大のポイントはこの「相手のことをとことん考える」という部分です。

コミュニケーションがうまくいかない原因に、自分の主張ばかりがされており、双方でのコミュニケーションがキャッチボールになっていないケースが多く見受けられます。

情報発信する際には、なんらかの目的が必ずあります。もちろん自分が伝えたいことが強烈にあるケースもあるでしょう。

その場合にもまず最初に本書に書かれているような原則やテクニックを使って「相手にどんな行動をしてほしいか?」を前提にすると、きっとキャッチボールがうまくいくようになってくるはずです。

実際に自分も、いつも、うまく書こう、伝わる文章を書こうと思っていたのですが、その答えは、自分の思っていた文章スキルのその先にないことに気づいてから、うまくいくようになったと感じています。

自分の場合は、苦手だったものが少しマシになった程度ですので、人を操るなんていうレベルには程遠いですが、7つの引き金と5つのテクニックを実際に扱えるよう、文章を書く際には意識していこうと思っています。

文章を考える際に、今より俯瞰して物事を考えたりみれたりするようになる本だと思います。ぜひ手に取ってみてください。