n8n初心者の失敗録|「見返したくないデータベース」ができるまで

eye 1 16

01 1 13

Slack → 条件フィルタ → Claudeで要約 → Notion保存。

前回、日常を観察して自動化のネタを見つけた流れで、いよいよ実際にワークフローを組んでみました。

たった4ノード。

シンプル。

これなら動くでしょう、と。

まあ、動かなかったんですけど。

このシリーズでは自動化は自分で組み立てる時代という話から始まり、AI自動化ツールの比較を経てn8nにたどり着きました。

ここまでの4回で考え方やツール選定は固まった。

あとは作るだけ。そう思っていた自分に、3段階の失敗が待っていました。

今回は、その失敗の記録です。

美化はしません。

失敗①:そもそも動かない

02 29

最初の壁は、拍子抜けするほど地味でした。

Webhookの設定ミスです。

n8nのWebhookトリガーを「テストモード」のまま本番URLとして使い、Slackからのリクエストがそもそも届いていませんでした。

エディタ上ではグリーンのチェックが出ているのに、何も起きない。

ログを見てもイベント自体が来ていない。

30分ほど格闘して、URLが「test」と「production」で違うことにようやく気づきました。

正直、これには少し笑いました。

ワークフロー設計がどうとか以前の話です。

ただ、この種のエラーはググれば解決できます。

n8nの公式ドキュメントにもWebhookの注意点は書いてあります。

技術的な壁は、時間をかければ超えられます。

問題は、次でした。

失敗②:動いたけど「見返したくないデータベース」ができた

03 28

Webhookを直し、条件フィルタを設定し、Claudeに要約させ、Notionに保存する。

フロー全体がついに動きました。

技術的には、成功です。

ところが1週間後、Notionを開いて固まりました。

200件以上のエントリが並んでいて、その8割が要らない情報でした。

botの通知、リマインダーの繰り返し、チャンネル参加メッセージ。

全部「要約」されて、全部「保存」されている。

Claudeの要約も微妙でした。

Slackの短いメッセージを無理やり3行に膨らませたような文章が並んでいて、元のメッセージを読んだ方が早い。

フィルタ条件が甘すぎたのと、AI要約の粒度が用途に合っていなかったのが原因です。

技術的に動いている。

でも、実用的に壊れている。

このNotionデータベースを見るたびに、うっすら嫌な気持ちになりました。

「見返したくないデータベース」の完成です。

ワークフローが動くことと、ワークフローが役に立つことは、まったく別の話でした。

失敗③:「守るために生きてる」状態になった

04 27

見返したくないDBをなんとかしようと、ワークフローを改良し始めました。

自動タグ付け。

カテゴリ分類。

優先度判定。

重複チェック。

ノードが増えるたびに「これでマシになるはず」と思いました。

4ノードだったフローが、気づけば12ノードを超えていました。

そのうち、エラーが増えました。条件分岐のどこかで失敗して止まる。

直す。

別の場所が壊れる。

直す。

また止まる。

朝起きてまずn8nのログを確認する生活になっていました。

ある朝、ふと思ったんです。「これ、守るために生きてるな」と。

全部自動化しようとして疲れた話でまさに書いた状態に、自分がハマっていました。

自動化を維持するために自分の時間を使っている。

本末転倒の教科書みたいな状況です。

半自動に戻したら、急に快適になった

05 25

12ノードのワークフローを全部消しました。

新しく作ったのは、3ノードだけのフローです。

Slackで特定のリアクション(:bookmark:)を押したメッセージだけを、そのままNotionに転送する。

AI要約なし。

自動タグ付けなし。

条件フィルタもほぼなし。

「保存する価値があるか」は自分が判断する。

リアクションを押す、というたった1アクションだけ人間が担当します。

これが、びっくりするほど快適でした。

Notionに溜まるのは自分が「これは残したい」と思ったものだけ。

ノイズがない。

見返したくなるデータベースに変わりました。

完全自動の12ノードより、半自動の3ノードの方がずっと使えるものになったのです。

自分ルール:3ノード以内、AI抜き、1週間後に改良

06 18

この失敗から、最初のワークフローを作るときのルールを3つ決めました。

1. 3ノード以内で作る

最初から複雑なフローを組まない。

トリガー → 処理 → 出力。

この3ステップに収まる範囲で作ります。

足りなければ後で足せばいい。

最初に足しすぎると、どこが壊れたか分からなくなります。

2. AIを入れないバージョンで試す

Claude要約やGPT分類は便利ですが、最初のワークフローでは外します。

AIを入れると、AIの出力品質という別の変数が加わります。

まずはデータがちゃんと流れるかだけを確認します。

3. 1週間使ってから改良する

作った直後に改良しない。

1週間そのまま使って、「ここが不便だな」「ここは自動でいいな」が見えてから手を入れます。

仕組みで続ける方法でも書きましたが、使い続けることで見えてくるものがあります。

まとめ:失敗は、自分のワークフローの輪郭を教えてくれる

eye 1 17

最初のワークフローは、成功させるために作るものではありません。

動かなくていい。

ノイズだらけでもいい。

複雑にしすぎてもいい。

その失敗が、自分は何を残したいのか、何がノイズなのか、どこを自動化すべきでないかを教えてくれます。

観測ドリブンで自動化を育てる考え方で書いた通り、失敗は観測データです。

壊れたワークフローの残骸から、自分だけのワークフローの輪郭が見えてきます。

だから、最初の1つは壊れる前提で作ってください。

3ノード以内で、AIなしで、1週間だけ。

それだけで十分です。

どなたかの参考になれば幸いです。

参考

n8nシリーズの記事はこちら