15年以上のキャリアが無意味に思えた夜
2024年の6月頃でしょうか?眠れない夜を過ごしていました。
よくみていたからだと思いますが、X(Twitter)のタイムラインに徐々にAI関連のポストが増えていきました。「GitHub Copilotが数秒でコードを書いた」という動画から、CursorのようなAjent機能をもったエディタ、V0のように綺麗なデザインとReactのコードを即座にしゅつりょくしてしまうものまでありました。
画面の中では、AIが自分だと何時間もかけて書くようなコードやデザインを、まるで呼吸するように生成していました。
約17年。Web制作の世界で積み上げてきた時間です。
HTML、CSS、JavaScript、Wordpress。フレームワークを学び、デザインパターンを覚え、ベストプラクティスを追い求めてきました。広告のデザインや印刷物のデザインまで、夜遅くまで制作と向き合い、技術書、デザイン書を読み漁り、Stack OverflowやDribbbleなどで答えを探し続けてきました。
「これ、全部無意味だったんじゃないか・・・とまではいかないまでもこのキャリアで身につけたスキルの大部分は無かったことになるのかも」と。
積み上げてきたものが、まるで砂の城のように、波に飲まれていく感覚。
この先の仕事にどんな影響があるのか想像できない状態でした。
恐怖と興味の間で揺れた日々

めちゃくちゃ気になっていたにも関わらず、最初は、みないフリか、AIの欠点ばかり探していました。
「普及はしないだろう」「AIなんて所詮は道具だ」「人間の創造性には敵わない」「すぐに限界が来る」。そんな言葉を自分に言い聞かせながら、従来通りの仕事を続けました。
でも・・・
思っていた通り、周りの状況は変わり続けていました。
気づけば、ChatGPTでブログ記事を作成してみたり、Midjourneyでビジュアルを生成してみたり、Sunoで音楽を、soraで映像をと普段からよく行なっている作業もそうでないものもどんどん試すようになっていました。
昔からデジタルで制作できるものはほとんど興味があって仕事にはしていない、映像だったり音楽だったりもこれがあればなんとかなるのではないか?と思えるほど。
どんどん課金、とにかく触ってみた

期待外れの結果も山ほど出ましたが、触れば触るほど、AIへの理解が深まっていきました。
自分の理解が深まっていくと、AI自体も新機能が発表され・・・追いつくというよりはついていくのが一杯一杯の状況でひたすらついていく。
そんな感じでしたが、これなら、自分のスキル上足りないことがあってももっと気軽にチャレンジができるのでは?と思うようになりました。
不安が希望に変わった瞬間

ある日、ふと思い浮かんだのは、「AIは自分の仕事を奪うんじゃない。仕事のやり方を『変える』んだ」と。
そして、活用すればもっともっとできなかったことができるようになるし、新しいチャレンジもしやすくなると。
単純なコーディング作業などはAIに置き換えられるでしょう。デザインの初稿作成も、文章の下書きも、AIの方が速いかもしれません。
でも、それでいいんです。
今まで3つしか出せなかったデザイン案が10個20個できるかもしれない。
なぜなら、僕がやりたかったのは「コードを書く作業」ではなく、「プロダクトをアウトプット」することだったり、人の「問題を解決すること」だったからです。
文章でもデザインでも音楽でも映像でも・・・ユーザーにとっての価値を生み出すこと。それが本質でした。
AIは、その本質に集中するための時間をくれるツールでした。
コーディングの時間が短縮されれば、ユーザーインタビューに時間をかけられます。デザインの初稿をAIが作ってくれれば、ブラッシュアップに集中できます。文章の構成をAIが提案してくれれば、本当に伝えたいメッセージを磨けます。
不安が希望に変わった瞬間でした。
時間革命:AI不安を希望に変える5つのステップ

自分の体験から、同じような不安を抱える方に伝えたい5つのステップがあります。
その前に結論を。
AIの進化や導入は時間革命なんです。触っていくことできっとこれ、実感できると思います。
①とにかく触ってみる
何も考えず、まずは無料版でいいので使ってみてください。ChatGPTでも、Claudeでも、Geminiでも構いません。「おすすめのランチを教えて」でもいいんです。
触らない恐怖は、触った瞬間に半分以上消えます。
②焦らず自分のペースで
周りがどれだけAIを活用していても、自分のペースで大丈夫です。SNSの「AI活用成功事例」と比較する必要はありません。
僕も最初は、ChatGPTに「こんにちは」と話しかけるだけでした。それでいいんです。
③失敗を恐れない
AIが期待外れの結果を出すことは日常茶飯事です。おかしな画像が生成されたり、間違ったコードが出てきたり、意味不明な文章が返ってきたり。
それが普通です。失敗しながら学ぶのは、AIも人間も同じです。
④理解不足を認める
僕は今でも、AIの仕組みをちゃんと理解していません。プロンプトエンジニアリングの専門知識もありません。
でも、使えます。車の仕組みを知らなくても運転できるように、AIも「使い方」を知れば十分です。
⑤継続の工夫をする
毎日少しでもいいので、AIに触れる習慣を作ってください。
僕は朝のコーヒーを飲みながら、ChatGPTに今日のタスクを整理してもらっています。たった5分ですが、この習慣がAIとの距離を縮めてくれました。
あなたなりのAIとの付き合い方を見つけよう

正直に言います。僕はまだ、AIを完璧に使いこなせていません。
おそらく毎日10時間以上AIを使って何かを作っていたり、整理したり、情報収集に使ってます。
新しいツールがどんどん登場し、機能がアップデートされ、ついていくのに必死です。「もっと効率的な使い方があるのでは」と毎日感じています。
でも、もう怖くはありません。
なぜなら、「AIは敵じゃない」と分かったからです。AIは道具であり、相棒であり、可能性を広げてくれる存在です。
あなたが今、AI不安を抱えているなら、まずは一歩だけ踏み出してみてください。ChatGPTに「こんにちは」と話しかけてみてください。それだけでいいんです。
焦る必要はありません。完璧を目指す必要もありません。周りと比較する必要もありません。
あなたなりのペースで、あなたなりのAIとの付き合い方を見つけてください。その先には、きっと希望が待っています。
僕がそうだったように。
参考になれば幸いです。

