クリエイティブブレイクスルー!ラテラルシンキングで生まれるデザインの力

デザインの仕事において、クリエイティブなアイデアを生み出すことは非常に重要です。

しかし、アイデアが行き詰まったり、クライアントの要望にうまく応えられないと感じることも少なくありません。

そんなとき、ラテラルシンキング(水平思考)が大きな助けになります。

ラテラルシンキングとは、従来の固定観念や論理にとらわれず、新しい角度から問題を考える方法です。

これを使うことで、今まで思いつかなかったアイデアや、ユニークな解決策を見つけることができるようになります。

一方で、ロジカルシンキング(論理的思考)は、正しい答えを段階的に導き出す手法です。

この2つの思考法を組み合わせることで、クリエイティブな発想を広げながらも、クライアントの課題にしっかりと対応できるデザインを作ることが可能になります。

この記事では、ラテラルシンキングを活用してデザインのブレイクスルーを生み出す方法を解説し、ロジカルシンキングとの組み合わせで、どのようにしてアウトプットをもう一段階アップさせるかをお伝えします。​

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ロジカルシンキングで物事を整理して、整理したものをラテラルシンキングで見直していくフローが自分のやり方です。

ラテラルシンキングとは?

ラテラルシンキングとは、問題に対して「横から考える」思考法です。

普段、私たちは物事を論理的に順序立てて考えることが多いですが、ラテラルシンキングではその枠を超えて、違った角度から発想を広げていきます。

これは、クリエイティブな分野で新しいアイデアや斬新な解決策を見つけるのに非常に役立ちます。

例えば、通常のデザインプロセスではクライアントの要望に従って課題を解決しようとしますが、ラテラルシンキングを使うと、クライアントが気づいていないニーズや、まったく新しい方法で問題を解決するアイデアが生まれることがあります。

言い換えると、「常識」や「今までのやり方」にとらわれず、自由に発想を飛ばすことができるのです。

一方、ロジカルシンキング(論理的思考)とは、段階を踏んで正しい結論を導き出す思考法です。

問題を整理し、論理的に最適な解決策を見つけていくアプローチです。

ラテラルシンキングはこのロジカルシンキングとは異なり、「正解」を一つに絞るのではなく、さまざまな可能性を考慮し、そこから新しい答えを見つける柔軟な思考法です。

特にデザインの分野では、ラテラルシンキングを使って問題を別の角度から捉えることで、クリエイティブな解決策を生み出すことができます。

この方法を使うと、ユニークでインパクトのあるデザインを提案できるようになり、クライアントの期待を超える結果を生み出すことができるのです。​

ラテラルシンキングでアイデアを広げる方法

ラテラルシンキングを使うことで、デザインにおけるアイデアを広げ、既存の枠組みを超えた発想が生まれます。

クリエイティブなプロジェクトでは、従来の思考方法にとらわれると、同じようなデザインや解決策に行き着いてしまうことがありますが、ラテラルシンキングを取り入れることで、まったく新しい視点で問題を捉え、斬新なアイデアを導き出せます。

ここでは、ラテラルシンキングを使ってアイデアを広げる具体的な方法をいくつか紹介します。

1. ブレインストーミング

ブレインストーミングは、自由にアイデアを出し合う方法です。

まず、制限を設けずに頭に浮かんだアイデアをどんどん出してみましょう。

このとき、アイデアの良し悪しを判断せず、自由に発想を膨らませることが重要です。

ブレインストーミングはチームで行うと、互いのアイデアが刺激になり、さらに面白い発想が生まれやすくなります。

2. 逆転思考

逆転思考は、問題をあえて反対の視点から考える方法です。

たとえば、クライアントが「シンプルなロゴを作りたい」と依頼したときに、あえて「派手で複雑なロゴ」を考えてみるというアプローチを試みます。

このように、一度問題をひっくり返してみることで、新しいアイデアの糸口が見つかることがあります。

3. SCAMPER法

SCAMPER法は、既存のアイデアを応用して新しいアイデアを作り出す方法です。以下の7つのステップに分けて考えます。

  • Substitute(置き換える)
  • Combine(組み合わせる)
  • Adapt(適応させる)
  • Modify(修正する)
  • Put to another use(他の用途に使う)
  • Eliminate(取り除く)
  • Rearrange(再配置する)

例えば、デザインの要素を「組み合わせる」ことで新しい表現を生み出したり、「取り除く」ことで、シンプルで洗練されたデザインを作ることができます。

4. メタファーを使う

メタファー(比喩)を使って、問題やデザインの要素を他のものに例えることで、新しいアイデアを得ることができます。

たとえば、デザインの一部を「自然」や「動物」に例えて考えることで、斬新でユニークな発想を引き出すことが可能です。

これらの方法を取り入れて、ラテラルシンキングを実践することで、デザインにおけるアイデアの幅が広がり、クライアントの期待を超えるクリエイティブな結果を生み出すことができます。

ロジカルシンキングとの併用で強化されるデザイン力

ラテラルシンキングによってクリエイティブな発想を広げることは、デザイナーにとって非常に重要ですが、それだけではプロジェクトを成功に導くのは難しい場合があります。

そこで役立つのが、ロジカルシンキング(論理的思考)です。

ロジカルシンキングを併用することで、広がったアイデアを整理し、実際のデザインに落とし込むプロセスがスムーズに進みます。

ロジカルシンキングの重要性

ロジカルシンキングとは、物事を順序立てて考え、論理的に答えを導き出す思考法です。

デザインにおいては、クライアントの課題を分析し、最も効果的な解決策を見つけるために使われます。

ラテラルシンキングで生まれた斬新なアイデアを、実際にクライアントのニーズに合う形で実現させるためには、ロジカルシンキングを使って以下のプロセスを経ることが重要です。

  • 課題の整理: クライアントが直面している課題や目標を明確にし、それを解決するために必要な要素を整理します。これにより、デザインの方向性がはっきりと見えてきます。
  • デザインの目標設定: どのようなデザインがクライアントのニーズを満たすかを具体的に設定します。ここで、クリエイティブな発想を組み込みつつ、現実的なゴールに向かって進むことがポイントです。

2つの思考法のバランス

ラテラルシンキングとロジカルシンキングは、一見対立するように思われがちですが、実際には互いを補完する関係にあります。

ラテラルシンキングで発想を飛ばし、自由なアイデアを出す一方で、ロジカルシンキングを使ってそのアイデアを現実的に実行できる形に整理します。

例えば、デザインコンセプトの段階ではラテラルシンキングを使って可能性を広げ、提案書をまとめる段階ではロジカルシンキングを活用して、デザインの意図や効果を論理的に説明することができます。

この組み合わせによって、クリエイティブでありながらも、しっかりとした根拠に基づいたデザインが生まれるのです。

実際のプロジェクトでの応用

たとえば、ロゴデザインを行う場合、ラテラルシンキングを使って新しいスタイルやユニークな要素を発想します。

そして、そのデザインがどうしてクライアントのブランドにふさわしいのか、どのようにしてブランドの課題を解決するのかを、ロジカルシンキングで整理して説明します。

デザイン業界で成功するためには、クリエイティブなアイデアだけでなく、それを支える論理的な説明力も必要です。

この2つの思考法を組み合わせることで、クライアントに対して説得力のあるデザイン提案ができるようになり、プロジェクトの成功確率が大きく高まります。

ラテラルとロジカルの両方のシンキングスタイルをバランスよく使いこなすことで、デザイナーとしてのスキルとデザイン力が強化され、クリエイティブなブレイクスルーをより効率的に生み出せるようになるでしょう。

ブレイクスルーを生み出すためのヒント

ラテラルシンキングとロジカルシンキングを組み合わせることで、デザインにおけるブレイクスルーが生まれやすくなります。

ここでは、実際にクライアントの課題を解決するために役立つヒントをいくつか紹介します。

これらの方法を活用することで、既存の枠組みにとらわれず、新しい視点から問題を捉える力を身につけることができます。

1. クライアントの課題を別の角度から考える

クライアントが提示した課題をそのまま受け取るのではなく、別の角度から捉え直すことが重要です。

たとえば、クライアントが「シンプルで目立つロゴが欲しい」と依頼した場合、その要求を単純に形にするだけでなく、「なぜ目立つ必要があるのか」「どのようなシンプルさが最も効果的か」といった背景や意図を考慮します。

こうすることで、表面的な解決策にとどまらず、根本的な問題解決が可能になります。

2. 常識を疑う

普段使っているデザインの手法や業界の慣習にとらわれすぎると、新しいアイデアが出にくくなります。

常識的な解決方法ではなく、意図的にその常識を疑ってみることがブレイクスルーを生み出すきっかけになります。

たとえば、一般的な配色やフォントの選び方ではなく、あえて斬新な組み合わせを試してみることで、クライアントのブランドに新しい印象を与えるデザインが誕生することがあります。

3. アイデアの具体化に時間をかける

ラテラルシンキングで発想したアイデアをすぐに形にするのではなく、まずはそのアイデアをいくつかの視点から具体的に掘り下げていくことが重要です。

いくつかのアイデアを比較し、どのアプローチが最も効果的かを分析するプロセスを通じて、最良の解決策を導き出すことができます。

ここでロジカルシンキングを使い、各アイデアの強みと弱みを整理することで、最終的に実現可能なデザインに落とし込むことができます。

4. フィードバックを積極的に活用する

アイデアを形にした後は、クライアントやチームメンバーからフィードバックを受け取り、それを積極的に取り入れることでアイデアをさらに洗練させることができます。

デザインは一度で完璧なものができるわけではなく、フィードバックを通じて何度も改善することが成功への鍵です。

ラテラルシンキングによって広がったアイデアを、他者の視点を取り入れてさらに磨き上げることで、独自性と実用性を兼ね備えたデザインが完成します。

5. 制約を利用する

ブレイクスルーを生むためには、制約を逆に利用することも効果的です。

クライアントの予算や納期、デザインの要件など、制限された条件がある中でどのようにクリエイティブな発想を広げるかが勝負になります。

制約があるからこそ、ラテラルシンキングを使ってその制約を工夫し、制限の中で最大限の結果を出すデザインを考えることができます。

これらのヒントを日々のデザインプロジェクトに取り入れることで、クライアントの課題に対してユニークで効果的な解決策を見つけ出し、デザインにおけるブレイクスルーを実現することが可能になります。​

ラテラルシンキングを習慣化するためのトレーニング

ラテラルシンキングは一度に身につけられるものではなく、日常的に実践し、習慣化することで徐々に力をつけていく思考法です。

クリエイティブな発想を常に持ち続けるためには、継続的なトレーニングが必要です。

ここでは、ラテラルシンキングを日々のデザインワークや生活に取り入れるための具体的な方法を紹介します。

1. 日常的に「なぜ?」を問う

日々の生活や仕事の中で、物事をそのまま受け入れるのではなく、「なぜ?」と問いかける習慣をつけましょう。

たとえば、デザインをする際に「なぜこの配色が適しているのか?」「なぜこのレイアウトが機能するのか?」と疑問を持つことで、既存の考えに対する別の視点を生み出し、新しいアイデアを探るきっかけになります。

2. 逆の立場で考えてみる

逆転思考を日常的に実践することは、ラテラルシンキングを鍛えるために有効な方法です。

クライアントの立場やユーザーの視点に立って、「もし自分がこのプロジェクトのユーザーだったら、どのようなデザインが最適か?」と考えることで、新しい発想が生まれることがあります。

この思考法を習慣化することで、いつでも自由な発想ができるようになります。

3. 制約を設けてクリエイティビティを刺激する

自由に発想することも大切ですが、あえて制約を設けて考えることでクリエイティビティを鍛えることができます。

たとえば、あえて色数を制限したり、特定のフォントだけでデザインを仕上げるというチャレンジをしてみると、新たな視点でデザインに取り組むことができ、思わぬブレイクスルーが生まれることがあります。

4. ブレインストーミングを習慣化する

ブレインストーミングを定期的に行うことも、ラテラルシンキングを養う効果的な方法です。

個人でもチームでも、アイデアを自由に出し合い、評価をせずにアイデアを膨らませる練習を繰り返しましょう。

これにより、常に柔軟な発想ができるようになり、斬新なアイデアを生み出すスキルが向上します。

5. 新しいことに挑戦する

ラテラルシンキングを習慣化するためには、日常的に新しいことに挑戦する姿勢も大切です。

たとえば、普段使わないデザインツールを試したり、まったく異なるジャンルのアートやデザインに触れることで、自分の発想の枠を広げることができます。

新しい体験や知識が、新たなアイデアの源泉となり、クリエイティブな発想を促します。

6. 思考を記録し、フィードバックを得る

自分が考えたアイデアや思考プロセスを定期的に記録することも、ラテラルシンキングの習慣化に役立ちます。

日々の仕事で得たアイデアや反省点、改善点をノートやデジタルツールに記録し、定期的に振り返ることで、自分の思考プロセスを見直し、よりクリエイティブな発想ができるようになります。

さらに、チームメンバーやクライアントからのフィードバックを積極的に取り入れることで、アイデアを洗練させていくことができます。

ラテラルシンキングを日常的に実践することで、クリエイティブなアイデアが自然に生まれるようになります。

これらのトレーニング方法を取り入れ、思考の柔軟性を高める習慣をつけることで、デザインプロジェクトにおいてブレイクスルーを生み出す力が身につくでしょう。​

まとめと次のステップ

ラテラルシンキングは、デザイナーにとって創造的なアイデアを生み出すために不可欠な思考法です。

固定観念にとらわれず、自由に発想を飛ばすことで、クライアントの期待を超える斬新なデザインや解決策を見つけることができます。

そして、ロジカルシンキングと組み合わせることで、アイデアの現実性や実用性を高め、実際のプロジェクトで大きな成果を上げることが可能になります。

ラテラルシンキングを日常的に鍛え、発想を広げるトレーニングを続けることで、常に新しいアイデアを生み出し、プロジェクトに新たな視点をもたらすことができます。

失敗や制約もクリエイティブなチャンスと捉え、積極的に挑戦する姿勢がブレイクスルーを生むカギです。

次に取り組むべきこと

ラテラルシンキングをさらに実践的に身につけるために、日々のデザイン作業で「なぜ?」と問いかけたり、制約の中でアイデアを試してみることから始めましょう。

ブレインストーミングや逆転思考を取り入れて、意図的に違った視点で問題を捉える習慣をつけることで、デザインの幅が広がります。

そして、次のステップとして、ロジカルシンキングを使いながら、クライアントの課題に対して具体的で論理的な解決策を提案できる力を鍛えましょう。

これにより、アイデアを形にし、効果的なデザインを生み出すプロフェッショナルなデザイナーとして成長していけるはずです。

日々のプロジェクトでこれらの思考法を実践し、次のクリエイティブなチャレンジに挑んでいきましょう!

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ファイトー!