健康診断の数値に振り回されないために。「評価」から「理解」への視点転換

健康診断の結果を見て、数値が高い・低いと分かった瞬間、「自分はダメだ」「何かを変えなければ」と感じたことはありませんか?

私自身、以前はそうでした。

結果が届くたびに、基準値から外れている項目を見つけては、どこか落ち込んだり、焦ったりしていました。

でも最近、数値との向き合い方について、少し違う見方ができるようになってきたので、今日はそのことについて書いてみたいと思います。

精密栄養学を学び、実際に自分の血液検査のデータを見つつ、自分自身を観測した経験に基づくものです。

数値を見た瞬間に起こる「評価モード」

健康診断の結果用紙を開いたとき、私たちは無意識のうちに「評価モード」に入っているのかもしれません。

基準値より高い、低いという表示を見ると、反射的に「これは良くない」「何か問題がある」と判断してしまう。

テストの点数を見るような感覚で、自分の体に点数をつけてしまっているような感じですね。

実は、血液検査の基準値というのは、健康な人の95%が含まれる範囲として設定されているそうです。

つまり、健康な人の5%は基準値の外にいても、それが「異常」というわけではないということになります。

こうした数値の成り立ちを知ると、基準値を少し外れたからといって、すぐに「問題だ」と考える必要はないのかもしれない、と思えてきます。

数値は「原因」ではなく「結果」という見方

数値を見ると、つい「この数値が高いから体に悪い影響がある」というように、数値を原因として捉えてしまいがちです。

でも、少し立ち止まって考えてみると、血液検査の数値は、日々の生活の積み重ねが形になって現れたもの、とも言えます。

たとえば、血糖値ひとつとっても、食事の内容だけでなく、睡眠の質やストレスの状態も影響しているという研究があります。

睡眠が不足するとコルチゾールというホルモンの分泌が増え、それが血糖値の上昇につながることがあるそうです。

つまり、数値そのものが「悪者」なのではなく、その数値は「最近の生活がこういう状態でしたよ」という体からのフィードバックなのかもしれません。

「結果として今こうなっている」と捉えると何が変わるか

数値を「評価」ではなく「結果」として捉えると、不思議と気持ちが楽になることがあります。

「数値が高いから自分はダメだ」という評価から、「最近の生活が、こういう形で体に現れているんだな」という理解へ。

この視点の違いは、小さいようで、意外と大きいように感じています。

評価として捉えると、自分を責める気持ちが生まれやすくなります。

でも、結果として捉えると、「じゃあ何がこの結果につながったんだろう」と、もう少し落ち着いて考えられるようになります。

健康トラッキングに関する調査では、セルフトラッキングをしている人の91%が何らかのストレスを経験しているという報告もあります。

数値を追いかけること自体が、心の負担になっていることもあるのかもしれませんね。

数値を「理解」するために意識していること

数値を評価ではなく理解として受け止めるために、私が意識していることがいくつかあります。

ひとつは、体感と照らし合わせるということです。

数値だけを見るのではなく、「最近疲れやすかったな」「よく眠れていたな」といった自分の感覚と一緒に見るようにしています。

数値と体感が一致しているときもあれば、そうでないときもあって、それ自体が興味深い情報になります。

もうひとつは、点ではなく流れで見るということです。

単発の数値で一喜一憂するのではなく、経年変化として見ることで、自分の体のパターンが見えてくることがあります。

健康診断の数値は、その一瞬を切り取ったものにすぎないので、時間の流れの中で捉える方が、より実態に近い理解ができるのかもしれません。

血液検査の値には日内変動もあり、測定するタイミングによっても値が変わることがあるそうです。

そう考えると、ひとつの数値に過度に意味を持たせすぎない方が、冷静でいられるように思います。

私もまだ学習中の身という話

ここまで書いてきましたが、正直なところ、私もこの視点が完璧に身についているわけではありません。

健康診断の結果が届くと、やっぱりドキドキしますし、基準値から外れている項目を見つけると、一瞬「うっ」となることもあります。

でも、そのたびに「これは評価じゃなくて、今の状態を教えてくれているだけだ」と自分に言い聞かせるようにしています。すぐに気持ちが切り替わるときもあれば、なかなか難しいときもあります。

大切なのは、完璧にこの視点を持つことではなく、こういう見方もあるんだな、と知っておくことなのかもしれません。

数値は、あなたを評価するためのものではない。

今の生活の結果として、こういう状態にあるんだ、と受け止める。

そう捉えられるようになると、数値を見ることが少し怖くなくなって、自分の体ともう少し穏やかに向き合えるようになるかもしれません。

私もまだ学習中ですが、一緒に少しずつ、この視点を育てていけたらいいなと思っています。

この記事は個人の経験と考え方を共有するものであり、医療アドバイスではありません。
健康診断の結果について気になることがある場合は、医師にご相談ください。

参考文献