Photoshop iPad版とPC版の賢い使い分け術|移動時間を制作時間に変えるヒント

デスクを離れて、ひらめきを形にする

「この移動時間、もったいないな」と思うことはあっても、本当の目的はそこじゃない。
私にとってのテーマは「ひらめいた瞬間に、すぐ形にしたい」ということでした。

アイデアは、必ずしもデスクに座っているときに降ってくるわけじゃない。
散歩の途中や、カフェで休憩しているとき、あるいは別の作業をしている最中にふと浮かぶことが多い。
そんなときにささっとできる環境、できればラップトップよりももっと気軽で、メモを取る感覚でデザインができないものか?

そう、「思いついた瞬間に手を動かせる環境」を作りたかった。
それが、私にとっての iPad Pro と Photoshop iPad版の意味でした。

Photoshop Web版 vs デスクトップ版|“制作を止めない”ための新しいワークフロー

クリエイティブの場所はデスクじゃない

iPad Proを買った当初は、「これでいろんなところで作業できる」と意気込んでいました。

でも実際は、動画視聴とメールチェック止まり。

「結局、クリエイティブはデスクでPC、キーボードやマウスがないと無理」となってしまい、宝の持ち腐れ状態でした。

転機になったのは、Photoshop iPad版。

移動中の30分、カフェでの待ち時間、自宅のソファ。
“制作を始められる場所”が増えたことで、インスピレーションを逃さず形にできることが増えてきました。
制作時間が増えたというよりも、「アイデアを閉じ込めるまでの時間が短くなった」感覚です。

「すべてを1台で完結させよう」とすると失敗する

iPadでPhotoshopを使い始めた頃は、「これ1台で全部やってやる」と意気込んでいました。
PCと同じようにiPadでの制作をしようとしていたのです。で

すぐに限界に気づきました。
精密なマスク、ピクセル単位のレタッチ、最終書き出し…。Apple Pencilでは心地よくても、私の場合マウスの操作には敵わない。

そこで発想を変えました。
すべてを1つのデバイスで完結させる必要はない。
むしろ、「インスピレーションを捕まえるデバイス」と「作品を仕上げるデバイス」を分けたほうが自然だと。

iPadは“アイデアを形にする装置”、PCは“作品を磨き上げる装置”。
両方を行き来するワークフローは、現代的な制作スタイルの一つなんだということに気づきました。

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どうしてもマウスがほしい。
トラックパットでもなくマウスがほしいんです。

デスクに座っていないときにやること

デスクから離れている時間――電車の中、カフェ、ベンチ、自宅のソファ。

この時間に大事なのは、「完璧」ではなく「方向性を掴む」こと。

iPadでやる3つのこと

  1. 大まかな構成やマスク作業
    完璧な切り抜きは不要。「この範囲かな」という感覚でOK。 3-5割の精度で進めて、残りはデスクで仕上げる。
  2. ラフを描く・構図を考える
    Apple Pencilでスケッチ。アイデアが浮かんだ瞬間に線を引ける。 「この雰囲気いいな」と思ったら、そのまま手を動かしておく。
  3. 素材を選ぶ・トーンを決める
    写真や素材を眺めながら、ざっくり明るさや色味を整える。 細部を詰めるより、全体のムードを感じ取る時間。

デスクでやること

デスクに戻ったら、頭を切り替えます。

iPadで捕まえたアイデアを、精密に仕上げるステージです。

  1. 細部の調整・マスクの仕上げ 髪の毛、光の境界、微妙なエッジ。ここはマウスの出番。
  2. 質感と色の最終調整 視覚的なバランスを整えるフェーズ。モニターで細部までチェック。
  3. 書き出し・納品準備 ファイル形式・カラープロファイルなど、ミスが許されない部分を丁寧に。

iPadで“生まれた”ものを、PCで“育てて送り出す”。

この流れが最も自然で、ストレスが少ない。

インスピレーションを逃さないための仕組み

この使い分けを支えてくれているのがクラウド同期です。

Adobe Creative Cloudに保存すれば、iPadで開いたファイルがそのままPCに引き継がれます。

朝の通勤で作ったラフを、夜デスクで仕上げる。

時間も場所も違うのに、頭の中では“1つの作業”として繋がっている感覚。

「場所を変えると、発想も変わる」

このスタイルを続けて気づいたのは、“環境の違い”がクリエイティブに刺激をくれるということ。

通勤電車で浮かぶレイアウト、カフェの照明でひらめく色。環境の変化が、発想を柔らかくしてくれます。

「デスクから離れる」ことが、思考をリセットしてくれるんです。

まとめ:完璧よりも即行動

Photoshop iPad版は、“移動時間を使うツール”ではなく、

“インスピレーションを逃さないツール”。

完璧を目指すのではなく、アイデアが湧いた瞬間に手を動かすこと。

そのスピード感が、創作の流れを劇的に変えます。

まずは、「移動中の30分でラフを描いてみる」から始めてみてください。

アイデアが止まらず、デスクに戻るのが楽しみになるはずです。

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